グラフィックデザイナーとしてやっていくには、コミュニケーション力が必要だとよく言われています。
ただ、パソコンで黙々と作業をするだけでなく、デザイナー以外のスタッフとコミュニケーションを上手に取れるようにならないと、良い作品は作れません。
そこでこの記事では、デザイナーに求められる10個のコミュニケーション力についてお話ししていきます。
どんなコミュニケーション能力が大切か、またどうやったらコミュニケーション力が身につくかがわかるようになりますので、最後までご覧になってください。
グラフィックデザイナーにはコミュニケーション力が必須

グラフィックデザインの仕事は、コピーライターやディレクターといった他のスタッフと力を合わせて一つのデザインを作り上げる仕事なので、コミュニケーションが欠かせません。
デザイナー以外の他のスタッフとコミュニケーションが取れないと、クライアントの意図が汲み取れず、デザイナーの独りよがりの作品を作ってしまうということが発生します。
課題解決には考えるデザインが必要

デザインの能力は、下流工程のスキルと上流工程のスキルに分かれます。
新人デザイナーは作るデザインからスタート
下流工程の仕事は、Webだったら特定のページや機能を指しますし、グラフィックであればバナーなどの「作るデザイン」のことを指します。
この「作るデザイン」のスキルが上達するにつれて、上流工程の仕事である「考えるデザイン」の仕事を任されるようになってきます。
デザインのレベルが上がってくると考えるデザインが必要に

「考えるデザイン」の仕事を任されるようになると、ただ作るだけでなく、デザインの課題をつかみ、仮説を立てて、どういう理由でこの表現方法が適切だから、こういうデザインいなった、と説明をする力が必要になってきます。
クライアントとコミュニケーションをとって、意図を汲んでリサーチをして仮説を立てるという「考えるデザイン」から「作るデザイン」への道筋を立てられる力がデザイナーには必要です。
ただし、これをするには、同時に環境づくりも必要になることもあるから、全てのデザインワークですぐに実践できるものでもありません。
考えるデザインをするには高いコミュニケーション力が必要

上流工程の「考えるデザイン」をするには、クライアントとやり取りをする、高いコミュニケーションの能力が必要になります。
・クライアントの話を汲み取れず、デザインが狙った意図と違うデザインになってしまう。
・デザインの要望の具体化がうまくできなくて、制作するときになども手戻りが発生。
・アウトプットが期待通りにできず、クライアントからクレームが来てしまう。
・100%に近い形でクライアントとの意思疎通が取れる
・具体的なイメージと抽象的なイメージの間のギャップを減らす説明ができる
デザイナーに求められる10個のコミュニケーション能力

- アプローチ
- ヒアリング
- カウンセリング
- コーチング
- ディレクション
- プレゼンテーション
- コンサルティング
- セルフモニタリング
- リサーチ
- クロージング
1.アプローチ

デザイナーなど、クリエイターというと、声を掛けづらかったり、気難しいといった印象を持たれがちかもしれませんが、入りの段階でコミュニケーションが上手になれば、本題へスムーズに入り込むことができます。
2.ヒアリング

ヒアリングで上手にコミュニケーションをとって、クライアントから情報を引き出せる能力はとても大事です。
ヒアリングの段階で、クライアントに質問をしたりして、いろんな情報を引き出すことはとても大事なコミュニケーション能力です。
3.カウンセリング

一度心を開くと、どんどん深い本音を気持ちよく出すことができるようになります。
自己開示が促せて、本音を引き出すことができれば、相手から特別視されていきます。
4.コーチング
話題を投げかけたり質問をすることによって、その相手の可能性を高めていく能力をコーチング能力と言います。
クリエイティブな案件を通して、クライアントが新しいプラスの側面を見出すことができるようになったら、「作れる」というだけの存在ではなくなります。
5.ディレクション
デザインなどのクリエイティブな案件は、デザイナー1人だけではなく、いろんな人との力を合わせて成り立つことも多く、壮大で複雑な案件であるほど、ディレクション能力が重要になってきます。
的確な指示をするだけでなく、クライアントの本音を聞き出したり、可能性を見出すことができてこそ、ディレクションの指示が大きく効いてきます。
6.プレゼンテーション

プレゼンテーション能力に優れているかどうかで、同じ企画でも実行に打つかどうかが変わってきます。
プレゼンテーションとは、わかりやすく本質を伝えることも大事ですが、プレゼンを聞く側や審査する側がその提案を実行したくなるように、相手の背中を押すような力を持っていることが大切です。
7.コンサルティング

なので、主に制作物を仕上げて納品するという仕事の場合は、デザイナー自身でプライベートで数字が動くものを運営して解析できると、コンサルティングできるネタが自然と増えていきます。
8.セルフモニタリング
自分の言動と周囲の反応を見ながら、的確な解釈をして言動を調整する能力をセルフモニタリングと言います。
また、クライアントのセルフモニタリング能力が低いこともありますが、相手のセルフモニタリング能力は、そう変わるものではないので、うまく相手を転がすようなコミュニケーションを取ることが大切です。
セルフモニタリング能力が高いと、自分自身も痛くならず、また痛い相手と接する際にも上手にプロジェクトを進めることもできます。
9.リサーチ
コミュニケーション能力とは関係ないと思われがちなリサーチ能力ですが、何をインプットしているか、また何をインプットする気があるのかによって、相手と絡んだ時の能力は大きく変わります。
10.クロージング
最後の締めで、クロージング能力があるデザイナーは、どこに行っても成功できます。
また、コミュニケーションを通して、狙ってクロージングできると、自分のクリエイティブを通して狙って転換する力にも繋がります。
コミュニケーション力を高めるためには
コミュニケーション力は、読書はネットだけでは身につけることが難しい能力です。
デザイナーは手を動かす技術職というイメージが強く、コミュニケーションが主な職種でもありません。
そういったイメージから、デザイナーにコミュニケーション教育は必要ないと考える会社も多いです。
人と対面して「聞く」「話す」という行動が伴うコミュニケーション力を早く成長させるには、仲間や上司にレクチャーしてもらいながら、現場で実践を繰り返していくことが必要です。
デザイナーに一番大事なのはコミュニケーション能力
その意見も確かにと思う方も多いと思います。
しかし、完成度の高いデザインが作れたとしても、デザイナー以外の人にうまく説明できなかったばかりに没になったり、クライアントの意図と食い違ったりしてしまったら、せっかく技術を身に付けたとしても意味がありません。
だから、デザイナーにはコミュニケーション能力が、必要な基礎能力として一番大事なのではと思います。

まとめ

この記事では次の15個のことについてお話ししてきました。
・グラフィックデザイナーにはコミュニケーション力が必須
・課題解決には考えるデザインが必要
・新人デザイナーは作るデザインからスタート
・デザインのレベルが上がってくると考えるデザインが必要に
・考えるデザインをするには高いコミュニケーション力が必要
・デザイナーに求められる10個のコミュニケーション能力
- アプローチ
- ヒアリング
- カウンセリング
- コーチング
- ディレクション
- プレゼンテーション
- コンサルティング
- セルフモニタリング
- リサーチ
- クロージング
コミュニケーション力を身につけるには、上司や同僚にレクチャーしてもらいながら、現場で実践を繰り返していきましょう。